山崎豊子「白い巨塔」を読んでいます。
現在新潮社文庫版の2巻の終盤あたり。
以下ネタばれします。
白い巨塔、何がすごいって文庫の背表紙のネタばれがすごい。
私は1巻は全集、2巻以降を文庫で読んでいるのですが(図書館に文庫1巻がなかったので)、
2巻の背表紙で盛り上がりどころを全部書いててびっくりした。
今更説明するまでもないのかもしれませんが、2巻までのあらすじをざっくり書くと、
岡山の田舎から猛勉強の末、国立浪速大学医学部に進学した五郎。才覚と熱意を買われ産婦人科医院を営む財前家に婿養子に入り、名門浪速大学医学部の助教授にのし上がる。
1、2巻では財前が所属する第一外科の東教授の引退後の教授の座をめぐりドロドロの教授選挙が繰り広げられる。
みたいなかんじです。
さて、文庫版2巻の裏表紙にあるあらすじ。
「現教授の東は、学会のボスから学外候補の推薦を受け財前にぶつける。財界まがいの生臭い多数派工作のすえ、かろうじて勝利した財前に…」
あっ…かろうじて勝利しちゃうんだ…
まあ勝利はすると思うんですよね、こんな超大作で医局をめぐるお話なんだから勝利しないとこの先どうするんだってはなしなんですけど、そこ裏表紙に書いちゃう???書く必要ある??
さらにその先には、
「…見事に手術を成功させる。だが、財前がドイツに出発する日、その患者は呼吸困難に陥っていた」
あっ…呼吸困難に陥っちゃうんだ…
引用した2点とも、この巻の一番の盛り上がりポイントなんですよね。1点目は言わずもがなだし、2点目も増長した財前が誠実に研究や治療に向き合う里見先生の助言を無視して強行手術してその患者はどうなる?!っていう手に汗握る部分なんですけど、なんで全部背表紙でさらっとネタばれするんだ。これらが前段でその先にもうひと盛り上がりあるわけでもなく。
次巻の背表紙が楽しみです。
あと財前くんがわかりやすくてかわいい。
この辺はまたそのうち書けたら書きます~