ゴールデンウィークのはなし②
もう記憶が薄いけど書いておこうと思う
5月2日
私の実家に二人で行く。
結婚の挨拶である。私はアイボリーのツイードのワンピースを着た。
特に何も考えずに買ったワンピースだったのだけど、そういえば
姉夫婦の顔合わせの時に姉も白っぽいツイードのワンピースを着ていたのだった。
顔合わせは割烹と居酒屋の間みたいな店を両親が選んでくれた。
会は和やかに進んで、両親も私たちもたくさんお酒を飲んでたくさん話した。
父親が「自分が妻と結婚する時、あいさつに行ったら義父は『娘が選んだ人なら何も言わない』って言われたから、自分の娘が結婚相手を連れて来た時はよっぽどじゃなければ受け入れようと思っていた」と10回くらい話していた。彼氏はその都度にこやかに相槌を打っていたのでえらい。
私が散々「私はモノじゃないんだから『娘さんを僕に下さい』は絶対言わないでくれ」と言ったせいか、決定的な言葉は特になく結婚の報告が終わった。そんなものなのだろうか。
5月3日
なぜか姉夫婦とその子供、両親、彼氏、私で萩焼まつりに行く。
よくわからない会だった。
萩から帰り、祖父母のお見舞いに行く
祖母は認知症が進んでいるとのことだったが、きちんと会話ができて安心した。
もはや入院している理由がどれなのかよくわからない祖父は会うたびに時間が遅くなっていくようで、どこへ行こうとするのか車椅子をゆっくりゆっくり操作していた。会話のテンポも遅くて意思疎通ができない。飴玉を探して空のポケットを探る手は幾分小さくなっていたけれども、昔と同じ節の大きい働き者の手だった。
少し泣いてしまったがきっとそれは傲慢で残酷で無責任なのだろうと思った。
5月4日
東京に戻る。両親に見送られるのはいつまでたっても居心地が悪いものだ。
5月5日、5月6日
記憶がない。多分ずっと寝ていたのだと思う。
先日、オーダーしたスーツが完成した。
受け取りに行った時の彼氏が坊主頭に円眼鏡、ガタイもいいのでインテリやくざのようだった。でも気に入っているようで嬉しい。